中日関係の行方は? 戴秉国氏、福田康夫氏らが語る
中国社会科学院が主催し、同院日本研究所が運営を担う「国際情勢変動下の中日関係:実務協力と未来展望」国際シンポジウムが5月12日、北京で行われた。戴秉国(たい・へいこく)元中国国務委員、福田康夫元首相、謝伏瞻(しゃ・ふくせん)中国社会科学院院長、横井裕駐中国日本大使が開幕式に出席し、あいさつをした。中日双方の友好人士や専門家・学者、メディア関係者ら100人余りも出席した。
戴秉国氏はあいさつで、「永遠の友好は何よりも重要」と強調し、「中日関係が正常な軌道に戻り、徐々に改善する良い勢いを大切にし、さらに後押ししていくべきだ」と述べ、政治的相互信頼を増進させ、全面的な協力に力を入れ、アジアの文明を引き継ぎ、発揚していくことを提案した。
戴秉国元中国国務委員
福田元首相は、「中国側が提唱した人類運命共同体に完全に賛成する。中国側は日本を含む他の国と連携し、共に課題と向き合い、人類運命共同体の構築に具体的な一歩を踏む出すべきだ」と述べた。
福田康夫元首相
謝伏瞻氏は、世界情勢が急激に変わっていく中で、今最も重要なのは関係改善の勢いを捉え、安定した相互交流のメカニズムを築き上げ、外部からの衝撃をできる限り抑えていくことだと指摘した。
横井氏は、日中両国による第三国市場協力で得た成果を評価すると同時に、両国を取り巻く国際情勢には依然として不確定性が大きく、米中貿易交渉や朝鮮半島情勢、英国のEU離脱などの問題に注目すべきだと強調した。
続いて、国際協力機構(JICA)の北岡伸一理事長や元外務副大臣の山口壮衆議院議員、中国社会科学院世界経済・政治研究所の張宇燕氏、中国社会科学院日本研究所の楊伯江所長など、中日の専門家らが学術講演を行った。楊伯江氏は次のように述べた。「中日関係の長期的な安定発展のために、双方は現実に率直に向き合い、争いを管理・コントロールし、時代の流れと文明の視点から両国関係を考え、学び合い、研究を深め、実務協力を推進していくべきだ」
同日午後、シンポジウムの出席者らは「中日第三国市場協力」「中日政治安全保障関係」「中日社会文化民間交流」「国際・地域課題における中日の意思疎通と協調」をテーマとする総合討論を行った。人民中国雑誌社の王衆一総編集長は次のように述べた。「両国の間の民間交流分野では、アンバランスが生じている。例えば、日本に行く中国の一般の人々は多いが、中国に来る日本の一般の人々は少ない。この問題について、中国のことを客観的に報道しようと日本のメディアに呼び掛けるとともに、中国側も自国の各種の観光・文化的資源をいかに活用し、より良くPRしていくか考え直さなければならない」(文・写真=李家祺)
人民中国雑誌社の王衆一総編集長